私の彼は、一途な熱血消防士

怪我と告白と 7

「あの……、こんなこと聞くのもアレなんですけど、消防署って百十九番通報があれば、火事か救急かって最初に確認しますよね」

 私は気になっていたことを、この機会に聞いてみることにした。私の質問に、誠司さんも耳を傾けている。

「誠司さんは救急救命士の資格をお持ちだから、通報があれば救急車のほうに乗られると思うんですけど、今も消防車に乗る機会はあるんですか?」

「うん。基本的には愛美が言うように、救急車に乗ることが多いな。けど俺は消防士だし、人が足りない時は、消防のほうに駆り出されることもあるよ」

 消防士の中でも、色々な職種がある。先日、誠司さんが救命救急士だと聞いてから、消防士について少しネットで調べてみた。

 テレビでもよく見かける消防隊員の中には、レスキュー隊員やはしご隊員、救急隊員など色々な種類がある。その中でも誠司さんはどうして救急救命士になることを選んだのだろう。

「どうして救急救命士になったんですか?」

 消防士さんの仕事で真っ先に思い付くのが、火事の現場で火災を鎮火することだ。
 消防車と救急車の出動が消防署の管轄と知ったのは、恥ずかしながら社会人になって、幼稚園児と一緒に消防署へ見学に行った時だ。だから救急車に常勤するのが消防士さんなのだと、最初は思考が全然結び付かなかった。

 だからこそ、聞いてみたかった。
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