私の彼は、一途な熱血消防士

接近 5

 誠司さんの言葉に従い、私は一緒にタブレットを覗き込む。その時、ちょうど洗濯終了を知らせるアラームが洗面所から鳴った。

「ここに干したんでいい? 俺が取ってくるから、愛美は座ったままでいて」

 私が反応するよりも先に誠司さんが立ち上がり、洗面所へと向かう。

 そして少しして、洗濯籠の中に洗濯物を入れた誠司さんが戻ってきた。

「じゃあ、これを干して終わったら、愛美の髪の毛を先に乾かして続きを観よう」

 私たちは揃って洗濯物を干した。

 洗濯物を干し終えると、発言通りに誠司さんがドライヤーで私の髪の毛を乾かしたり背中に湿布を貼ってくれたりと、甲斐甲斐しく動いてくれる。
 腕の火傷は、いつの間にか痛みが引いていた。と言っても、翌日水ぶくれができてしまったら元も子もないので、薄手の長袖シャツを羽織り、その上から氷枕を当てた。

 映画を観終えたのは、二十二時半を回った頃だ。

 就寝には少し早い時間だけど、今日は色々あったせいで身体が疲れているのか、さっきからあくびが止まらない。
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