私の彼は、一途な熱血消防士

出会い 4

 家庭訪問も無事に終わり、五月の連休も明け、いよいよ本格的な幼稚園生活が始まった。

 木曜日の鍵当番の日は、寝坊しないようスマホのアラームもスヌーズ機能に加え、数分置きにアラームが鳴るようセットして、早起きしている。そして週末は、土曜の夕飯の時間を狙って帰宅しては食材やおかずをもらって帰る生活だ。

 毎日体力が有り余る子どもたちを相手の仕事なので、平日は手抜きこそあれ頑張って料理をして食事をとっているけれど、一人暮らし生活一か月が経つか経たないうちからもうすでに音をあげている。今でこそこの状態なので、もし就職したばかりの時に一人暮らしを始めていたら、もっと荒んだ生活をしていたに違いない。

 今日も十五時の降園時間を回り、お迎えに来る保護者を尻目に園庭で遊ぶ園児たちを見て、ここまで遊びに集中できて羨ましく思う。

 園庭開放は十五時三十分までなので、時間がくれば強制的にみんな帰宅するけれど、我々職員たちは園児が帰宅するまで他の仕事が手につかない。

 みんなが降園し、幼稚園に静寂が戻ると、担任はそれぞれ自分のクラスと園庭に面する廊下を掃除する。
< 24 / 305 >

この作品をシェア

pagetop