私の彼は、一途な熱血消防士

一難去ってまた一難 5

 秋祭りも無事に終わり、月が替わって十一月になった。

 それまでにお互いの実家へご挨拶に伺い、両家の顔合わせの日が今月の第一日曜日に決まった。

 私の両親は、例の日浦くんの件もあり、挨拶に来てくれた誠司さんにひと言「返品不可でお願いします」と歓迎してくれた。

 誠司さんのご両親も、それまで全く女っ気がなかったという誠司さんが初めて連れてきた彼女ということで、熱烈に歓迎されたのは言うまでもない。

 そして美波ちゃんには、この件はサプライズとしてギリギリまで内緒にしてもらうこととなった。倫理的な問題はないにしろ、幼稚園の職員とその幼稚園に通園する園児の保護者という立場上、とやかく言う人がいないとも限らない。

 両家の顔合わせ当日、美波ちゃんと美波ちゃんのお母さんは動物園へ行くことになっている。

 二人が動物園に出掛けた後、料亭で結納を兼ねた食事会を行った。
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