私の彼は、一途な熱血消防士

ロマンスのはじまり 2

「愛美ちゃん、幼稚園の先生なんだね。そんな雰囲気だわー」

 真ん中に座る中井さんがそう言うと、千紘さんも頷いている。

「うんうん、ほんわかしていてかわいい。あ、ちなみに私も小春と同い年だから敬語抜きで話そうね」

 千紘さんの年齢がわかりホッとしたのも束の間、まさかの同い年とは思ってもみなかっただけに、今日も驚きの連続だ。

 なぜなら千紘さんは、お化粧や髪型もバッチリで、見た目にしっかり時間とお金をかけていることがよくわかる。

 それに比べて私ときたら、メイクはファンデーションとチーク、薄い色のリップと申し訳程度にしかしておらず、メイクを落とせば中学生と間違えられても仕方ないくらいの童顔だ。

 髪の毛も、邪魔になるからといつも後ろで一つに括っているせいで生え際に変なくせがついてしまっている。だから今日も、いつもと同じように括っている。

 服も、こういった場でどんなものを着用すればいいかわからなくて、とりあえずミモレ丈のワンピースに、体温調整のため薄手の上着を羽織っている。

 日々園児を追いかけ回して運動靴が通常仕様なので、ヒールのある靴は履く機会がほとんどない。
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