仮定法過去の恋〈下〉
部活の前に旧校舎の4階へ紙袋を持って上がる。角の教室には誰もいなかった。
いつもの机の上には書き置きと紙に包まれたものが置いてあった。薄い半紙のような紙に10円玉が2枚包まれている。





恭平さんへ
 夏祭りのときはごめんなさい。
 ちょっと戸惑ってしまいました。
 恭平さんと一緒に出掛けるのが嫌だったのではないのでそれは信じてほしいです。
                                   藤島
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