近寄りがたいキミの愛にリトライします!


 誕生日ケーキなんかも由衣の意見でどれにするか強制的に決まってしまう。家族で旅行をするときも由衣が行きたいところになるし、外食するときも由衣の食べたいものになる。


 私の意見なんて、通ったことは全然ない。


 洋服なんかは「双子なんだから貸し借りしあいなさい」と言われ、買ってもらう時も由衣好みの洋服になる。なので、私は月のお小遣いで自分の欲しい洋服や小物を買ったりしている。


 「双子だから平等」と言われ育ってきたけれど、私にしてみたら全然平等なんかじゃない。


 なんで私は由衣よりも怒られるのだろう。


 なんで私達は双子に産まれてきてしまったのだろう。


 双子じゃなかったらこんな扱いは受けなかったのだろうか。双子じゃなかったら歳の差を利用して上手く言い訳できていたような気がする。


 家にいたら由衣の呑気さが気に障って勉強どころでなくなるため、放課後になると学校の図書室で勉強するようにした。


 昼休みの時間帯は読書をする生徒等で席が埋まっていることがあるけれど、放課後となると皆部活や即帰宅をするため、比較的に席はガラガラだ。


 五月といえど、まだまだ寒い。少しでも日当たりが良さそうなイスに座り学生鞄から理科の教科書とノート、それと暗記ノートを取り出す。理科科や社会などの暗記するものはできるだけ前から覚えたい。

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