衝撃サイダーマン
【サイダーマン】の正体
【サイダーマン】の車は大きなアメ車だった。
よじ登るように乗り込んだ檸檬。

いつものお父さんの車の助手席より高い位置からの眺めは見える範囲も広いように感じた。

「補佐はすごい車に乗っているんですね。」

「ああ。向こうでもこれと同じの乗ってたから何となく帰国してもコレを買ったんだわ」

「あの〜先程の奥様のお話だと私と補佐は子供の頃に会ってたんですね。」

「ああ。楓とは同じ年だしアイツのアメリカでのコンテストでは無理矢理モデルにされて、カラフルな頭にされたよ」

「え!楓兄のコンテストのモデルに? その時の写真を見ましたがモデルは外人さんだと思ってました。メイクもされてたし……」

「あ〜アレはオレにとって黒歴史だから忘れてくれ。」

「ハハハ。そうなんですね〜。ところで中学生からアメリカに留学して寂しくなかったですか?」

「イヤ、爺ちゃんと婆ちゃんが一緒だったから大丈夫だった。それに両親もしょっちゅう来てたし」

「アメリカの大学へ短期留学した友達は勉強が大変そうでしたが、補佐はどんな学科だったんですか?」

「IT系だな。それこそプログラミングしていろんなシステムを作ったり、大学生でアプリ開発したんだけど、ちょっとそれで儲けたかな?」

「今もそのアプリはあるんですか?」

「あるけど、帰国する時に会社ごと売ったから初期のオレが作ったモノより進化してるわ」

「じゃあ、社長さんだったんですか?」

「ああ、そうだったな」

「何故…配送センターなんですか?…」
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