衝撃サイダーマン

セレブな生活を垣間見る

午後から休みをもらえた檸檬は自分のマンションへ急いで帰った。
マンションの合鍵を持っているお母さんが青山の奥様と先に部屋へ入ると連絡が入ったので、更に焦って戻ってみると…

ガチャ！　「ただいま。お母さん？」

「おかえり〜檸檬」
「おかえりなさい檸檬ちゃん！！」っとニコニコ微笑んでいる母親達。

「檸檬、さっき引っ越し業者に見積もりしてもらったからね！」

「え？　どういう事？……」

「全部せいちゃんの所へ運ぶ事になったのよ」

「え？全部！！」

「檸檬ちゃん。星夜のマンションには家財道具はほとんど無くてね…
冷蔵庫と洗濯機、ソファーとテーブル、ベッドくらいしか無くて…
ゴミ出しも面倒だとかで食事は全て外食なのよ。
お鍋もフライパンもないような部屋だからこのお部屋の物を全て運んでもらう事にしたの。」

「はぁ〜そうなんですかぁ…何も無い部屋で4年間も過ごしていたなんて…」

「檸檬。明日荷物運ぶ事になったよ」

「明日？！！　会社…あ、土曜日だから大丈夫か」

「引っ越しには檸檬がいると畑山さんが朝からマンションに来たりするのを想定して私は顔がバレてるから、青山さんにお願いしようと思うから貴重品や下着なんかは今、紙袋か何かに詰めて行こう。」

「檸檬ちゃん、おばさんが勝手に引っ越し業者さんに指示しちゃう事になってゴメンね〜」

「いいえ！こちらこそご迷惑をお掛けして申し訳ございません。」と深々と頭を下げた檸檬。

「さぁ、檸檬。何を先に持ち出すの？」

「えーっと…まずスーツケースを出して〜下着とバッグと〜アクセサリーと通帳とかかな？」

「お母さんたちはキッチンのチェックしても良い？
これからせいちゃんの食事も檸檬が作るんだし〜」

「私？　簡単な料理しかできないよ？」

「大丈夫よ〜おばさんが電気圧力鍋をプレゼントするし〜買い物して帰って来るのも大変でしょう？だから食材の宅配ってあるらしいからそれを申し込んでおいたのよ。ふふふ。」

「そうなのよ檸檬。さっきポストのチラシをたまたま青山さんが見てね、申し込んで下さったのよ。」

「え〜。申し訳ございません。そしてありがとうございます。」

「檸檬ちゃん。私の事も頼ってね！そしてたまにはわが家で檸檬ちゃんのご家族と星夜も一緒にご飯でも食べましょうね〜。ねぇ三谷さん。」

「「ありがとうございます」」

「檸檬、みんな檸檬の味方だよ。畑山さんの件をみんなで解決して乗り越えようね」

「う…ん…」と嬉しくでポロポロと涙を流す檸檬をお母さんと星夜さんのお母さんが抱きしめてくれた。

「さぁ、檸檬。泣いてるヒマはないよ！荷物まとめておいで」

「うん！」
っといってクローゼットからスーツケースを出し、下着、アクセサリー、ノート型パソコン、通帳、スキンケアセットと化粧品、2、3日分の洋服などを詰め込んだ。

「お母さん、必要なの入れたよ。」

「じゃあ、これから星夜のマンションへ行きましょう」

「「はい。」」