衝撃サイダーマン
星夜はリビングから立ち上がり、キッチンでもう1本サイダーを開けてゴクゴク飲んだ。

「ハア〜 ゲッフッ!」流し台のふちに手をついて前のめりでキッチンからリビングを見る。

オレって、やっぱり檸檬の事が好き?なのか?
妹というより1人の女性として?

ちょっと待て! オレは確かに檸檬の事はいい子だと思うし楓と葵の妹だ。

檸檬が就活して配送センターで悪いムシがつかないようにと檸檬の見守りもミッションに追加された。

檸檬が入社すると親父が同僚が既婚者の女子事務員ならイジメもないだろうと言い出し、オレと同じ部署に配属された。
しかし…まさか入社半年で檸檬が見合いしたとは思わなかった……

楓や葵からも見合いの話は聞いていなかったから、あの休憩室でたまたま田中リーダーと聞いた話しの内容にびっくりしたのと焦りを感じた。

なぜあの時焦ったんだ?………
ストーカーから守らなきゃっとも思ったが…
擬装恋人役になった時は良かった…って思ったよなぁ……

やっぱりオレは檸檬を好きなんだ…
イヤ愛おしく感じている。
会社以外でここのところずっと一緒にいても控えめな檸檬を可愛いと思うし、もっと甘えさせてやりたいと思っている。
からかうつもりで結婚指輪まで注文もしたり…
このまま結婚したいとも思えてきてる。

その上、まさか同居もすんなり両家が了承するとは思わなかった。
今日から一緒に暮らすのに期待しているオレって……
やっぱり、同居は不味かったかもしれない……
檸檬にオレの気持ちがバレたら嫌われるかもしれないわ…

今頃こんなオレの思いを知るなんて…
もっと檸檬の事を知りたい……

飲みかけのサイダーを一気に飲み干して、少しずつ檸檬を口説き落とそうと決意した星夜だった。
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