恋と、涙と、先輩と
友達同士ではしゃぐ小学生。


そして――。

仲よく手を繋いで歩くカップル。


あっくんとあんなふうになれたらとまでは思っていない。

ただ、ぎくしゃくした今の関係から少しでもよくなったら――。


わたしの願いはそれだけだ。


公園の前を人が通るたびに、あっくんかなと目を凝らす。


しかし、集合時間5分前――。

突然、あっくんからメッセージが届いた。


それを見たわたしは愕然とする。


【ごめん。ちょっと用事ができたからオレはパスで。羽賀先輩にはオレから連絡しておく】


ドタキャンするはずだったのは、羽賀先輩のはずなのに…。

まさかのあっくんから、待ち合わせ直前のドタキャン。


今日あっくんと夏祭りに行けたら、明日からなにかが変わるんじゃないかと思っていた。

そういう願いも込めて、この日を楽しみにしていたはずが。
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