一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。
「ね、先輩。私たちってほんとに入学式以来なんですか?」


「………さぁ、どうでしょう」

去年……だ、

うん、去年。


「先輩…、赤いストーンのピアス付けてましたか……?」



実は一時期の話だけど助けてくれた男の人を気になってた時期があった。



顔はフードで分からなかったけど、声は……似てた気がする。

と言っても私がわかるのはピアスをつけた男の人って言うことだけ。


違う……かな、


「つけて…たけど。どうして知ってんの?」


「…ふふっ」「なに?」



私どんだけ湊先輩のこと好きなの…?



「なんでもありませんっ、今度そのピアスつけたところ見たいですっ…!」


「いーけど…も、なに?教えてよ」

「…わたしだけが知っておきたいんです。秘密ですっ」


先輩私言いたいことがあります。


「先輩と出会えて、恋できて良かったです…っ」



「……!」



驚いた顔をする湊くん。ふっと笑って少し潤む瞳。

この時はまだ分からなかった。


まだ知らない先輩と大事な記憶があったことに。


………赤く光ったピアスの意味も。



私は………まだなんもわかっちゃいない。


ーーー

再び実感するEND



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