強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「しょ、承知しました」

 異論、反論は受け付けないとばかりにニーグとの話を切り上げると、私はジェイコブと護衛の騎士たちを伴って町の中心部へと足を向けた。
 相変わらず周囲には興味津々でこちらを窺う町に人たちの姿があったが、気にせずジェイコブに話を振る。

「ねぇジェイコブさん、町の各種予算は町長や役場のお偉方が決めているのよね」
「へい」
「……そう。ところで、自衛団は役場や公民館の見回りもなどもしているのでしょう。鍵を管理していたりもするのかしら?」
「へい、もちろん。それが自衛団の仕事でもありますんで」

 私が頼まれたのはアレッポスの浄化……よしっ。こうなったらアレッポスの町、まるまる綺麗に浄化しちゃうんだから──!

 そうと決まればまずは町役場に突撃だ。
 物言いたげなレックスさんの顔は、あえて見ないふり。決意を新たにした私の足取りは軽かった。







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