年上幼馴染の一途な執着愛

いつも通り

*****

懐かしい夢を見た。
私とお兄ちゃんと、日向と三人で一緒にお祭りに行った日の夢。

私はどうしてもりんご飴が食べたくて。でもどうせ全部は食べきれないからってお母さんにはダメって言われてた。
不貞腐れてたら、日向が隠れて買ってくれたんだ。


"間違って買っちゃったから、やる"


顔を赤くしながら渡してくれた姫りんごの飴を受け取った時、嬉しかったのを覚えてる。
でも結局お母さんの言う通り全部は食べきれなくて、家に帰ってから私だけじゃなくて日向までこっぴどく叱られた。

だけど、日向は私に笑ってくれた。


"また来年買ってやるよ"


頼もしくて、キラキラに輝いて見えたなあ……。



そんな夢から目覚めた時、目の前に日向の寝顔があって一瞬思考が停止した。

……そうだ。私、日向と……。

思い出すとボン!と爆発したように赤面してしまう。

まさか、ずっと兄のように慕っていた日向とこんなことになるなんて……。

付き合ってもいないのに、むしろ別れたばっかりなのに、日向の色気と場の雰囲気にやられてしまって私まで欲情してしまうなんて、そんな。

でも……気持ちよかったな……。

今までの男性経験の中でも、あんなに乱れたのは今日が初めてだったかもしれない。
それくらい気持ち良くて、私も日向を求めてしまった。
たくさんキスしてくれて、大事にされているとわかる、そんな時間だった。

身体を重ねることが、こんなに尊いもので気持ち良いものだなんて知らなかった。
今までの私の男性経験って、一体何だったんだろう。そう思ってしまうくらい、幸せな時間だった。

愛されてるって勘違いしそうになった。あれだけ昔から綺麗な女性ばかりを侍らせていたような日向が私を?そんなわけないのに。
でも……。


"俺にしろよ。俺にしとけよ。そうしたら、絶対お前を泣かせねぇし絶対幸せにするから"


じゃあ、あの言葉はどういう意味だったんだろう。
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