先輩!-番外編追加-
その夜、久しぶりに抱き合った。


ギブスから解放された左腕は、筋肉が落ちて一回り細くなっていた。手術跡が赤くミミズ腫れになっていて、何度もそこに触れ、口づけた。


2人で話し合って、以前お風呂で先輩が口にした願望を実行した。


嬉しくて、熱いものがとめどなく込み上げてきて泣いた。裸で抱き合い、ひとつになったまま。

また茶化されると思ったけど、そんなことはなく。


先輩の瞳からも涙が溢れていて、声を殺して涙を流す先輩を、ありったけの愛を込めて抱きしめた。


余韻が色濃いベッドで、身体中に先輩の名残りを感じていると、中のがこぼれないようにと、またすぐ先輩が私の中に入ってきた。

ゆっくり、ゆっくり最奥を突かれ、そこがすぐ甘い痺れに侵される。


「芽衣のこと全力で幸せにするから、芽衣も俺を幸せにしてな」

「うん。幸せにする」

「ずっと一緒にいような」

「先輩、愛してます」


その時、私の中の先輩が、ずくん、と反応した。

先輩は照れくさかったのか、誤魔化すようにキスをした。


「愛してる」



すぐ笑みは消え。


見つめ合って。



気持ちを伝え合うように。



キスを。



何度も、何度も。





ー完結ー
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