先輩!

7. 後悔は二度とごめんだ

「虎太郎ここ数字おかしい」

「はい!すみません!」


呼んだわけじゃないのに虎太郎が飛んできた。


「ここ合わない」

「すぐ確認して修正します」

「それ終わったらコーヒーな。前のスタパ行くか」

「マジすか。え、2人でですか?」

「ああ」

「うわ、え、え、マジすか、やば、」

「早く直せ」

「はい!」


出張出張の合間に会社にいる。年が明けてもそんな日々を送っていた。

ここではもっぱらデスクワークばかりで、部下の報告書に目を通したり、他部署との会議に出席して1日が終わったりと、なかなか気が抜けない。


「直しました!」

送ってきたデータを確認し、間違いなかったので承認ボタンをクリックした。


「行くぞ」

「はい!」


そんな俺たちのやりとりを見ながらくすくす笑う芽衣には、後で甘くて温かいドリンクを買ってきてやろう。

もう定時近い。今日も疲れただろ。


会社の目の前のコーヒーショップでホットコーヒーを2つオーダーして、ソファー席に座って虎太郎を待つ。


「お待たせしました」

「サンキュ」

「課長、ご馳走になります!」


コーヒー一杯でそんなテンションいらねえよ。

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