姫を追放された私は一筋の光に救われた

プロローグ


(れん)。今、なんて言ったの?」


「聞こえなかったのか?雪菜(せつな)


「え、えぇ」


「テメーは今日で姫追放だ。新しい姫は真麗奈(まりな)になった」


「そんな……」


頭を鈍器で殴られた衝撃だった。

昨日まで総長の隣にいるのが当たり前だった日常。

それはたしかに存在していて……。


「蓮さんの命令はゼッタイだよ。部外者は早く出て行ってよ。ねぇ、雪菜お姉ちゃん?」


「真麗奈が姫になった今、テメーはもう必要ねぇから。大体お前は姫っていっても飾りだろう?」


「……っ」


その日、私は自分の居場所を妹によってあっという間に奪われた。
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