二人の永遠がこの世界になくても
「ごめんね。脱線させちゃって。それで、なんで春華はここに来たの?大切な人の為?」

「最初に言った通り、俺が劣等生だからだよ」

「それってどういう意味なの?」

「俺の力のこと。ほとんどはこの力を持った人が適当に対象者を決めるんだ。別にノルマがあるわけじゃないし、中には国の重役を担って職業として使ってる人もいるけど。未成年のうちは暇潰しみたいなもんでさ。でも時々、グループのリーダーが指定してくることもある。なんらかの事情を抱えてる人の元に行って、解決する為の願いを叶えてこいってさ。そういうことの積み重ねで将来の職業に繋がったりするんだ」

「へぇ。ゲームのミッションみたいだね」

「願いを叶えたら叶えられた人の記憶は消える。最初から叶えたかった未来がそこにあったみたいに、生活に関わることなら前後の記憶やデータも塗り替えられる」

「物凄い力。やっぱりちょっと信じられないや」

「しょうがないよ。俺の世界でだって、都市伝説程度にしか語られてない。信じてる人なんてほとんど居ないんだ」

「誰かが言いふらしたりしないの?願いを叶えてもらうまでの、対象者と関わる時間ってあるじゃない?その間にバラされたり」

「だから俺は劣等生なんだ」
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