彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
広々としたバスルームで汗を流す。
薔薇の香りの湯船に浸かり、指でお湯を飛ばしイタズラをすると、俊佑さんの顔にかかってしまった。
彼も私に仕返しをする。 
そうやって戯れあっていると、私は俊佑さんにホールドされた。

「美音、上がろうか。俺が髪を乾かしてやる」

バスローブを纏いお風呂から上がると、美容師さんのように私の髪を乾かしてくれた。
先ほど散々裸を見ていたくせに、バスローブ姿の彼が桁違いの色気を放っていて、思わず俯いてしまった。

「美音、なぜ下を向く?」

「バスローブ」

「ん?バスローブ?」

「俊佑さんのバスローブ姿、刺激が強過ぎます!」

瞬いていた彼が突然吹き出し、笑ったかと思えば、美しい顔を私の耳元に寄せた。

「俺はずっと生殺しの状態なんだが」

艶のある声が私の身体の敏感な部分を疼かせる。
一度火がついた欲情はもう止まらない。それは、大輪の花火が打ち上げられるまで続いた。

真っ白なシーツにくるまって、寄り添い合いながら見たこの光り輝く花火を、私はしっかりと目に焼き付けた。
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