─animaTane─ドレミ
「私はこの日を最後にあなたの夢から消える」


「コトノ。。。」


「あなたをこうしてしまったのは私の責任だもの。私が消滅することであなたの考えが変わることを願ってる」


サンはコトノに触れようと手を伸ばす。しかし、手はコトノの身体をすり抜ける。みるみるうちにコトノは半透明になり、消えていく。


コトノは最後にはにかむ。


「でもね、あなたを愛している私は存在したんだよ?だから、忘れないで。あなたがこれからどんなに酷い人物になろうと、あなたを愛している私の気持ちは変わらない。だから──────────


バイバイ、サン」


コトノは姿を消した。伸ばしたサンの手は震え、その姿は虚しい。コトノの完全な消滅でサンの心は壊れたように胸が痛む。


サンの心で構成されたこの自然の景色が足元から墨で塗られたように真っ黒になっていく。そして、瞬く間に完全な闇になる。その中で佇むサンは闇の中で微笑み。


「キミが望まなくとも俺は答え通りの現実を実現する。たとえキミに憎まれようとも構わない。俺はこの能力で理想の世界を作る。コトノがいて、誰もが大切な命が奪われない世界を造る」
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