セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
今回、ヒロインである愛花ちゃんが選んだ種目は、借り物競走だった。
たしか、ゲームの中では。愛花ちゃんが借り物競走に出ると、『眼鏡の似合う人』というお題が出るのだ。
愛花ちゃんは、眼鏡キャラである羽村に『一緒に来てください』と頼んで、二人で手を取り合って走り出す。
借り物競走で、異性を指名する場合、実はお題が『好きな人』でしたー、ということもあるので。
羽村自身も、走る二人を見ている杵築ら攻略対象者らも、「どんなお題が出たのだろう」とドキドキ、ヤキモキしてしまうというイベントなのだ。
さて、ゲームをそのまま再現するように、愛花ちゃんは羽村と手を繋いで走っている。
生徒会の皆は、今ごろ、気になる愛花ちゃんのお題が知りたくて、ドキドキしていることだろう。
だろう、という推測になるのは、私自身も借り物競走に出るために列に並んでいるので、生徒会テントの様子を見ることができないためである。
「次の人ー。」
私の順番がきた。
別に借り物競走の順位なんて、人生の中ではどうだっていいはずなのに。ピストルの音を待つこの瞬間だけは、何だか緊張してしまう。
たしか、ゲームの中では。愛花ちゃんが借り物競走に出ると、『眼鏡の似合う人』というお題が出るのだ。
愛花ちゃんは、眼鏡キャラである羽村に『一緒に来てください』と頼んで、二人で手を取り合って走り出す。
借り物競走で、異性を指名する場合、実はお題が『好きな人』でしたー、ということもあるので。
羽村自身も、走る二人を見ている杵築ら攻略対象者らも、「どんなお題が出たのだろう」とドキドキ、ヤキモキしてしまうというイベントなのだ。
さて、ゲームをそのまま再現するように、愛花ちゃんは羽村と手を繋いで走っている。
生徒会の皆は、今ごろ、気になる愛花ちゃんのお題が知りたくて、ドキドキしていることだろう。
だろう、という推測になるのは、私自身も借り物競走に出るために列に並んでいるので、生徒会テントの様子を見ることができないためである。
「次の人ー。」
私の順番がきた。
別に借り物競走の順位なんて、人生の中ではどうだっていいはずなのに。ピストルの音を待つこの瞬間だけは、何だか緊張してしまう。