セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ～能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない～

　そのことを相談すると。春名さんは、哀れな生き物を見るような目で、私を見た後、ティーンズ向けファッション誌に載っている服をまるごと１セット取り寄せてくれた。


　おかげで、当日、私はファッション誌のモデルさんを、そのまま真似することができた。

　髪は結ばずにおろして、帽子を被る。
カジュアルで動きやすそうなミニワンピにレギンスを合わせ、小さなリュックを背負う。


――水族館コーディネートの完成だ～。


　張り切りすぎていると、皆に笑われないかが、心配だけれども。
　他に合う服もないのだから、致し方ない。