セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

16歳 〜パーティに参加しよう〜


 高等科2年になった。

 今年度は、優奈ちゃん、愛花ちゃん、杵築と同じクラスだ。
 クラスの中では、生徒会メンバーでつるむことはせず、愛花ちゃんは外部生の子達と、私は優奈ちゃんと一緒に過ごしている。


 2年に上がった際、新しく赴任してきた先生がイケメンだということで、少し噂になった。

 田上先生という人で、昔、教育実習で王明学園に来たこともあるらしい。
 うちの学年の担当だったというのだけど。


――田上先生。
 記憶にあるような、ないような……。

 うん、ないな。


 生徒会には、新しく1年生が4名入った。
 これだけ人数が増えたなら、もう補佐はいらないのでは……と、私は小さな声で言ってみた。

 その意見は、「何を言ってるんですか。これでも本来の人数より少ないくらいです! これまでどおりに補佐をお願い致しますね。」と羽村にバッサリ切られた。

 たしかに、三室ある生徒会室のうち、一室を私達2年生が、もう一室を1年生が使用しているが、まだあと一室はガラガラだ。


 愛花ちゃんは、ニッコリ笑って答えた。

「もちろんです。お手伝いできることなら、何でも言って下さい!」

 今年度も私は生徒会から抜け出せないようです。


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