セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「何を言ってるんですか。個人情報をこんなに載せて。
 しかも怪しい憶測まで、あたかも事実のように。――停学相当だと思いますね。」

 羽村は、何だかすごく怒っている。
 羽村のページの憶測と言えば、『かいわれ大根のサラダが好き!?』という部分だが、そんなに気に触ったのだろうか。


「個人情報といっても、誰でも知ってる程度の情報だし。住所とか電話番号とかが載ってるわけじゃないし……。」

 私は、思わず柳瀬くんをフォローした。
 柳瀬さんの従弟だし、できれば酷い処分になることは避けてあげたい。


「お前は阿呆か。容貌、経歴、交際関係など、すべてが個人情報のかたまりだ。」

 杵築は、呆れたように私を見た。
 けれど、杵築の交際関係など、『副会長の羽村氏とは、初等科時代から親しい』としか書かれていなかったじゃないか。寂しい奴め。

< 183 / 615 >

この作品をシェア

pagetop