セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ～能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない～

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　１０月。今年は生徒会主催の企画として、ハロウィンイベントを行うことになった。
　下旬になると文化祭の準備と被ってくるので、ハロウィンイベントの方は、少し早めの１０月中旬に行うことに決まった。

　生徒は皆、各々で仮装を用意して、その日１日、仮装した状態で授業を受ける。放課後は、ホールやテラスに用意したスイーツを囲んで、学年ごとにパーティだ。


――仮装かあ〜。私は何にしよう？

「可愛いのは似合わないし、無難に、魔女とかオカルト系がいいかなあ？」
　春名さんに相談すると、嫌そうに顔を顰められた。


「ご自分をよく分かっているというべきですが。魔女とかそっち系は、似合いすぎて全く笑えないですよ。
　仮装なんですから、もうちょっと、違うイメージの方が良いのでは？」

　むむ……、言われてみれば、たしかに。
　悪役のイメージを払拭できるような、ザ・コスプレ！ってやつの方が、良いかもなあ。