セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

16歳 〜文化祭の準備をしよう〜


 ハロウィンイベントが終わるとすぐに、今度は文化祭の準備が本格化した。

 去年のクラスでは、『展示』しか行わなかったので、楽だったけれど、今年のクラスは『お化け屋敷』をやることに決まった。
 生徒会の仕事とのかけもちで、かなり忙しい。


 さて、私は、クラスの事前準備では『看板・チラシ製作係』になった。

 教室の外の看板や飾り付け全般、宣伝のため持ち歩くボードなどの作成が、仕事に含まれる。人気の係であり、杵築と優奈ちゃんも、同じ係だ。

 当初は、愛花ちゃんもこの係を希望していたけれど。
 愛花ちゃんは裁縫が得意らしいので、『衣装係』のリーダーから請われ、そちらに決まったようだ。人気者は大変だと思う。


 杵築は、看板・チラシ製作用の買出し担当を、一人で引き受けていた。
 けれど、その後になって『何を買ったらいいか分からん。ついてきてくれ。』と言い出し。結局、私が買出しに付きそうハメになってしまった。


――できないことを、安請け合いするなよ~。

 とほほ。私はとんだ、とばっちりだ。

< 195 / 615 >

この作品をシェア

pagetop