セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
16歳 〜文化祭の準備をしよう〜
ハロウィンイベントが終わるとすぐに、今度は文化祭の準備が本格化した。
去年のクラスでは、『展示』しか行わなかったので、楽だったけれど、今年のクラスは『お化け屋敷』をやることに決まった。
生徒会の仕事とのかけもちで、かなり忙しい。
さて、私は、クラスの事前準備では『看板・チラシ製作係』になった。
教室の外の看板や飾り付け全般、宣伝のため持ち歩くボードなどの作成が、仕事に含まれる。人気の係であり、杵築と優奈ちゃんも、同じ係だ。
当初は、愛花ちゃんもこの係を希望していたけれど。
愛花ちゃんは裁縫が得意らしいので、『衣装係』のリーダーから請われ、そちらに決まったようだ。人気者は大変だと思う。
杵築は、看板・チラシ製作用の買出し担当を、一人で引き受けていた。
けれど、その後になって『何を買ったらいいか分からん。ついてきてくれ。』と言い出し。結局、私が買出しに付きそうハメになってしまった。
――できないことを、安請け合いするなよ~。
とほほ。私はとんだ、とばっちりだ。