セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
16歳 〜クリスマス会をしよう 2〜
クリスマス会の日がやってきた。
杵築から聞いていたとおり、最上階にある羽村の家に着くまでは、何回もインターフォンを鳴らしたり、コンシェルジュに要件を伝えたりして、ロックを解除してもらう必要があった。
ようやくたどり着いた羽村の家は、マンションの概念を覆すほどに、広い。
前世の私の部屋よりも広い玄関で、靴を脱いで。
私達が案内された部屋は、ダンスパーティができるような空間だった。
最初は、マンションの共用施設のパーティルームなのかと思ったけれど。
羽村の家ということで間違いないらしい。自室などはひとつ下の階にあるということだ。