セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
17歳 〜罰ゲームの宣告を受けよう〜
バレーの試合に負けた。
ただ、それだけのことなのに。
――何だか、すごーく嫌な予感……。
私は、いつもの生徒会室3年の部屋で、ドキドキしながら、三杉と一緒に刑の宣告を待っていた。
「三杉と黒瀬さん、それぞれに、1つずつ『お願い』をして良いということですね。」
「そういう約束だったものね。何のお願いにしようかな~♪」
羽村の質問に、笑顔で返す愛花ちゃん。
優しい愛花ちゃんのはずなのに、何だか今日は、甚振られている気分だ。
「まずは、私ね。」
愛花ちゃんは、唇に人差し指を当てて、ちょっと考える仕草をした。
「三杉くんには、今度の土曜日、修学旅行の持ち物の買い出しに付き合ってもらいたいな。
荷物が多くなるから、困っていたの。」
荷物持ちか。たしかに、男子の方が適任だと思う。
「黒瀬さんには、今度の清掃活動の当番の交代をお願いできるかな。ごめんね。
私、裏林の担当なんだけど、その日、早く帰らないといけない用事があって……。」
うわあ。
裏の林は、暗いし汚れるし、当番になったら最悪なんだよね。でも罰ゲームだから、これくらいは仕方がないのかな。