セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
 その後は、羽村、杵築の二人とあれこれ言いながら良さそうなものを見ていった。私が気になった絨毯の値段を聞くと、なんと数十万円相当!


 羽村は「高いものは百万円くらいするんですから、これなら安い方ですよ。あなたが良いと思うものに決めましょう。」と囁くものの。

 勘弁してほしい。荷が重すぎる。どんだけ私のセンスを妄信してるんだ。


 高級絨毯の店を出た後。

「まさか、羽村くんと……。」

 小声で言いかけた優奈ちゃんの言葉を遮って、私は断言した。

「付き合ってないです。」

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