セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜日常生活に戻ろう〜


 非日常からの日常生活は、かなりしんどい。

 じめじめと湿度の高い日本にいると、体まで重くなってしまったように感じる。
 こうして学校で過ごしていると、ついこの間までトルコにいたなんて、まるで夢のようだ。


 平常授業に戻ってすぐに、私は内部進学における、希望学部の進路調査票を提出した。
 色々悩んだ末、私の第一志望は法学部、第二志望は経済学部に決めた。
 九月末には、選考結果が発表され、希望どおりの進学が認められるかどうかが確定する。


 私の成績であれば、まず大丈夫だろうと担任からは言われるけれど。
 本当に心配なのは、成績ではない。

 断罪・没落イベントが発生せずに終わるか否か――、進学の可否を左右するのは、そこなのだ。

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