セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「じゃあ、お菓子の詰め合わせとかは、どうですか? 合宿中に友達と食べたりもできるし。」 

 私は、無難な提案をした。


「悪くはないが。」

 田上先生は頷いた。

「それでいいのか? 一等はもっとインパクトのある物がいいんじゃないのか。」

 たしかに。トルコみたいな海外ならともかく、日本であれば、お菓子なんて普通に買えば良いわけだし……。


「インパクトを求めるなら、『好きな人と1日デート券』なんてどうかしら?」

 おお。
 さすがは乙女ゲームのヒロイン、愛花ちゃん。そういうの、思い付きもしなかった。


「ネタとしては面白いが、誰とデートしたいのか、皆の前で発表するのか? 相手も困るだろうしな。」

 たしかに、好きな人を皆の前で発表しないといけないなら、それは景品ではなく、もはや罰ゲームだ。

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