セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
17歳 〜格付け大会に出よう2〜
午前の授業の後、出場者である私たち四人は、大会の会場の方へ移動した。
ステージの上には、ペアの二人ずつが並んで着席できるよう、六つのテーブルが用意されている。
それぞれの席の前に設置されているのは、『一流』の札。
お題を一つ間違うごとに、この札が『一流』→『二流』→『三流』→『そっくりさん』へと変えられていくシステムである。
会場には、プロが使うようなカメラが複数台設置されていた。実際にプロのOBが協力しているらしい。
今日の映像は、このカメラで、三校の生徒たちにライブ配信されるのだ。
もしかしたら、男子校の生徒の中に、運命の相手がいるかもしれないので。私は昨晩、杵築に渡された課題図書――『美術大全』『贋作の見分け方』などを読みながら、念入りに顔パックや美顔ローラーをしてきた。