セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
9歳 〜二分の一成人式〜
初等科4年生では、10歳になる節目にあたり、二分の一成人式という行事がある。
二分の一成人式では、クラスの仲の良い者同士で組んで、各々、出し物をするというメインイベントがあるのだけど。
――やばい。
私は、今のクラスに、一緒に組んでくれそうな仲の良い友達が一人もいないのだ。誰も虐めていないし、むしろ親切にしているつもりなのに。
――なんで~? やっぱり、この無表情が怖いの?
3~4年のこのクラスには、幼稚園時代に親しかった友達が全くいないことも、影響しているのかもしれない。
どこにも入れてもらえなかったら、私は一人グループで『独唱』をするか、一発芸をするか……、どっちも嫌だ、絶対絶命だ。
キリキリと胃が痛む中。
私は何とか、人数の多い『合唱』のメンバーに、何とか紛れ込むことができた。
メンバーの子たちには感謝しかない。