セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜メイド喫茶をしよう〜

 
11月下旬。
 私たち3年生にとっては、最後の文化祭が近づいてきた。

 うちのクラスでは、和くんの発案により、メイド喫茶をすることになった。女子はメイド服、男子は女装メイド服を着用するという企画だ。


 クラス委員からは、集客の目玉のため、生徒会メンバーには全員メイド服を着てほしいと要請されたのだけど。
 杵築が「死んでも着ない」と我儘を言い張るので、杵築だけは除外となった。


「……ずるい。」
「一人だけ、許せませんね。」
「俺、その日休むわ。」

 佐々木くん、羽村、三杉の三人は、その後しばらく、恨めしそうに杵築にグチグチ言っていた。
  
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