セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「どうして、こんな……。」
いくら、私が憎くても、昨日の今日で作成できる内容とは思えない。
「心当たりは、ありますか。」
「全く、違います。」
完全否定する私の言葉に、校長先生と高野先生は、再度、顔を見合わせた。
「――いずれにしても、学内での命にかかわる虐め行為については、放置できない問題です。後に、理事会でも取り上げると言われていますので、然るべき調査をさせて頂きます。」
――この日。
遅れてやってきた担任は、私を庇ってくれたけど。事実関係の不存在を確認するまではと、私は無期限の自宅待機を指示された。
確認するとは言うものの、校長と高野先生が私を『黒』だと思っているのは、その態度からして明らかで。
私は、全ての在校生との接触を禁止された上で、直ちに帰宅させられたのだ。