初恋が叶わなった日
高校生になって、2度目の春がきた。
今日は、始業式。前日、自転車で遊びに行った時パンクをした。それで、いつも自転車で通っていたんだけど今回は電車で行くことにした。道のりはやっぱり桜でピンクに染まっていた。駅に着いたら同じ制服の学生が座っていた。
よく見ると、咲良に似ていた。
だから俺は、隣に座って声をかけた。
『あの、同じ学校の子だよね?何年生? 』
俺は勇気をだして話しかけてみた。彼女は驚いたような顔していた。いきなり声を掛けられたら、ビックリするよね。
俺だって知らない人に声をかけられたらびっくりする。
『あ、私ですか? 』
『君しかいないじゃん、今。』
『ですよね。えっと、2年生です。』
『え、同じ学年じゃん。名前なんて言うの?』
どうして名前を聞きたかった。
同じ学年で声も姿も小学生の時から全然変わっていなかった。
やっと、会えた。
ずっと会いたかった。
『鈴森咲良です。』
やっぱり、咲良だ。咲良は俺に気づいてるんだろうか。
『咲良ちゃんって言うんだ。俺は佐倉優希。よろしくね。 』
俺は調子に乗って咲良ちゃんなんて言ってしまった。
本当に駄目な男だ。
初恋の人を前にすると緊張してしまう。何故だろう。朱音や香織の前だったら普通に久しぶりと声をかけれたのに。咲良の前だと簡単なその言葉いえなかった。
『佐倉くん、よろしくです。』
『てか、同い年なんだしさぁ敬語じゃなくっていいよ。しかも同じ学校だし。』
『だよね。』
少しでも距離を近づけるためにも敬語からタメ語に持っていこうとした。咲良も俺のことは覚えていない。でも、ここで終わっては駄目だ。まずは咲良の友達になりたい。好きだけど、そこは一旦心にしまって友達になろう。
俺はそう決めた。
『咲良ちゃんはいつもこの電車に乗るの?てか電車で通ってる?』
『うん。いつも学校までは電車だよ。』
『そっか。俺はいつも自転車なんだけど。今日はパンクしちゃってさぁ。歩いていくと時間かかるから電車で行こうかなって。』
『そうなんだ。私はいつも電車でもう1人友達がいるんだけど、今日は寝坊して一緒に乗れなかった。』
『そっか。じゃあ、一緒に学校に行こうぜ。俺も1人は暇だしさぁ。学校の正門まででいいから、一緒に行こうぜ。』
高校生になって女子と学校に通うのは初めてだった。高校に入ってから彼女すら出来なかった。
だって俺は咲良に逢いに来たんだから。
『学校の正門までなら、いいよ。』
『ありがとう。そろそろ電車くるね。』
『来るね。』
咲良と俺は、2人で乗った。