Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
5. ここが旦那様の職場、ですか??

「ん、……」

瞼を薄く開けると、明るい光が視界に差し込んだ。

もう朝?
なんだかすごく幸せな夢を見ていたような……

パチパチ瞬き、陽光に目が慣れるのを待つ。

はぁ、いい夢だったなぁ。クロードさんがキスしてくれるなんて。
ここんとこ、ずっとあの悪夢で飛び起きる日が続いてたから。

へにゃっと溶けた顔のまま考えて、上体を起こす――途端、ズキンッと走る痛みにこめかみをきつく押さえた。

「ぃったぁ……」

ナニコレ。頭、割れそう。

あぁこれが二日酔いってやつかぁ。
あんだけ飲めばそりゃ……って、え?

私……昨夜……

周囲に視線を巡らせれば、そこは見慣れた自分の部屋。

んん?
ベッドに入った記憶が全くないんですが?

昨夜はブルームーンで飲んでて、大分酔っぱらったよね。
それで……その後……どうしたっけ?

柊馬に送ってもらったんだっけ?

……ん? いや、違うぞ??

――茉莉花、帰るぞ。立てるか?
――……立て、ない……おんぶ。

ちょっと待って。

――しっかり掴まってろよ茉莉花。
――……あーい。

待て待て待て。
なんか、うっすらと記憶がある、ような。

< 78 / 402 >

この作品をシェア

pagetop