きゅんする毎日の結末

真山side

 なんとかもっとせとかと関わりたくて、なんでもいいから理由を探していた。

 友達と歩いているせとかを発見して、一瞬だけ目が合った。
 会話の内容を盗み聞きするのはちょっと気が引けるけれど、聞こえてきたんだから不可抗力だ。せとかの誕生日が今月らしい。早速、部活に行く前に教室にいるせとかに声をかけた。

 自分の誕生日忘れてるとか、かわいすぎる。しっかりしているようで、たまに抜けてるとこがかわいい。
 俺がお礼にあげたキャンディをまだ食べずに持ってるって、もしかして苦手な味だったのかな?

 そう思ったのも束の間、不意打ちだろ。

ー好きっ、すっごく好きな味だったから、もったいなくて……ー

 一瞬、俺に「好き」って言ってくれてるんじゃないかって錯覚して、ニヤケそうになって、口元を隠した。
 たぶん、俺の顔は熱が上がって来ていて、赤かったかもしれない。
 気持ち、バレたかな。

部室の前まで来てから、ようやく思い出した。

「あ、欲しいもん聞き忘れた」

 とっさに、赤くなった顔を見られたくなくて、逃げて来てしまったことを後悔する。
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