青い海に揺らぐ

始業式後の教室は、もうすでに誰もいなかった。


あの時と同じように2人だけの中、握った手を離されないことに少しだけ戸惑ってしまう。


「……俺、そんなに頼りない?」
「え?」


唐突に言われた言葉に、なんの話だろうと。

そう考えて、今日助けてと言わなかったことに対してだと気づいた。


「……ごめん」

私がもっと素直だったら、変な意地を張らなかったら。

青野くんはきっとすぐに助けに来てくれた。



「ごめん、違う。謝ってほしいわけじゃなくて」

はぁ、とこぼされたため息に、どうしていいかわからなくなる。


謝ってほしいんじゃないなら、どうしよう。

約束を破ったこと、どうすれば許してくれるのかな。


「ごめん、泣かないで。怖かったよな」
「……泣いてない」
「うん、でも泣きそう」


本当に泣いてなかったのに。

そう言われたら、ぽろっと涙がこぼれてしまった。

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