総長様は恋の反抗期真っただ中


 私たちを包み込んでいた毛布が、バサリとコンクリートに落ちた。

 つられるように私の視線が足元に向く。



 「毛布なんかじゃなくて、今は俺だけに心を奪われていてほしいんだけど」



 俺様っぽい声が私のハートを溶かし始めたと同時、ゴツゴツした手が私の右頬を包み込んだ。




 バックハグをされたまま、私の顔が後ろを向かされ



 「椿のこと、一生大事にするからな」



 見つめ合ってからの、強引なキス。



 極甘なワイルドボイスを紡いだ朝都の唇の熱が、私の唇の熱と溶け合っていくのがわかる。



 ……って。

 幸せ過ぎだよ。

 でももう、唇を離してくれないかな?



 「……っ、息……でき…ない…」


 「俺は甘いものが苦手なんだ」



 ……知ってるよ。

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