処刑後転生した悪女は、狼男と山奥でスローライフを満喫するようです。〜皇帝陛下、今更愛に気づいてももう遅い〜
第7章
 帰宅した後、私とリークは余っていた昼食を食べて少しだけ休憩すると、夕食の準備を始める。

「今日は何を作ろうかしら」
「そうだな…ミネストローネスープでも作るか」

 という事で夕食はミネストローネスープに決まった。だがそれだけではどうも味気ない気がする。

「何かもう一品作らない?と思ったんだけど…」
「ああ…じゃあ、ベリーでジャムを作って簡単なケーキを作るか」
「いいわね、そうしましょう」

 まずはミネストローネスープ作りだ。玉ねぎとトマトとにんじんを細かく切り、更にマカロニの代わりに小麦粉で練って作った楕円状のものを入れてみる。

「ナターシャ、真ん中はへこませてみよう」
「ええ」

 マカロニとはまた趣が違うが、これはこれでありかもしれない。
 それらを大鍋に入れて、水と缶詰に入ったトマトソースを全て入れると、ひと煮立ちさせる。

「良い匂いね」

 コンソメと塩で味を整えれば、ミネストローネスープの完成になるので、その間にケーキを作る。
 ケーキのスポンジはパンで代用する事に決まった。パンにジャムを塗り重ねてその上から生クリームを塗る…という予定になる。

「まずは生クリームを作ろう」
「ベリーのジャムはもうそろそろ出来るかしら?」
「そうだな、そろそろ…か」

 生クリームを泡立たせるのは中々に大変だ。しかし何とか作り終えるとミネストローネスープと同時並行して作っていたベリーのジャムをパンに塗りながら重ねて、その上からペタペタ…と生クリームを塗る。

「なんだか、手作りって感じになったかも」

 後宮で食べていたケーキとは、クオリティには雲泥の差がある。だが、これはこれで良いかもしれない。

「良いじゃないか。これはこれで好きだ」
「リーク…」

 そんなリークの言葉に胸をどきどきさせながら、ミネストローネスープとケーキをそれぞれ食卓テーブルに置いた。
 ミネストローネスープの量を考えると、明日の朝食にも十分回せられるだろう。

「では頂きます」
< 58 / 135 >

この作品をシェア

pagetop