その生徒会、取扱注意につき!

先日、琥太郎くんの家でメニューも無事、クレープに決まり、残すところ衣装やら当日の細かいスケジュールのみ。

衣装担当は、全て史緒くんに一任されていたため、まさか準備していたものがメイド服だったとは予想していなかった。

『はいはーい。俺、なんかいい感じの衣装つくるわ』

少し前にそう言っていた史緒くん。
どうやら、今回彼にとってのいい感じの衣装とはメイド服だったらしい。

…千歳と伊緒くんにとっては災難だね。

それにしても…。

「…史緒くん、私もメイド服着る感じかな…?」

私はおそるおそる手を挙げた。

当日、一緒に参加する予定の私もこのメイド服を着用しないといけないのかと、思わず笑顔が引きつった。

あまりフリフリした感じの服は得意じゃないんだよね…。

すると。

「ハァ…。お前がメイド服着たってフツーすぎてつまらないだろ?だから、立栞には特別にコレ用意した」

そう言って、別の紙袋から出した衣装を見て、私をはじめ、千歳、伊緒くん、琥太郎くんも「え…」と声をもらした。

「これって…執事服?」

黒色のビシッとしたタキシードに、黒のネクタイ、さらには白手袋まで用意されている徹底ぶり。

「メイド服より作るの難しかったんだからな、ありがたく思えよ」
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