その生徒会、取扱注意につき!
第6話❥黒涼祭1日目
――ガチャ。
生徒会室の空き部屋で、着替えを終えて出てきた史緒くんの姿に私は目を見張る。
か、可愛い〜。
黒の膝にかかるくらいのワンピースに白いフリルのエプロン。頭にはエプロンのデザインと同じカチューシャをつけている。
今日は金髪を黒髪ツインテールのウィッグで隠し、パット見は地雷系メイドといった風貌だ。
メイクもバッチリで、その綺麗な顔立ちがより一層引き立っている。
「どうよ?立栞、最高にイケてるっしょ?」
「すごい!史緒くん、どこからどう見ても女の子だよ」
パチパチと拍手を送る私にご満悦の彼は「当たり前だね」とほくそ笑む。
今日は、待ちに待った黒涼祭1日目。
そして、史緒くんをはじめとした生徒会メンバーは、女装カフェで使用する衣装へ着替えていた。
「……あのさ、俺ずっと気になってたんだけど、史緒って、女嫌いのくせになんで女装には抵抗ないわけ?」
そうボヤきつつ、次に空き部屋から出てきたのは千歳だ。
気だるげに出てきた千歳も、史緒くん同様メイド服を着こなしている。
いつも黒髪の彼からは、想像できないくらい金に近い明るめの茶色のウィッグ。
長さは肩あたりで切り揃えられ、髪はゆるくウェーブがかかっていて可愛らしい雰囲気だ。
「千歳、すっごい可愛い……!似合ってるよ!」
「……なんか複雑だけど。ありがと」
照れたようにふいっと視線をそらす千歳に思わずクスッと笑みをこぼす。