その生徒会、取扱注意につき!

「え、1年生って特進科は琥太郎くんだけなの?」

目をパチパチとしばたたかせ驚く私に、琥太郎くんはコクリと頷く。

「そうなんです。なんか、特進科の基準に当たる成績取れたの1年生では俺だけみたいで。正直、クラスメイトがいる千歳先輩達がうらやましいです」

フッと、悟りを開いたように遠くを見つめる彼に私は曖昧に微笑んだ。

なんて反応していいか、ちょっと困ってしまったのだ。

「琥太郎って、一見バカそうだけど実は頭は良いもんな」

「あ!史緒先輩、バカそうってなんですか!」

「は?ほめてるだろ?頭良いって」

史緒くんと琥太郎くんって、顔を合わせれば何かしら言い合いしてるのね…。

ここ数時間で、2人のそんなやり取りにもだいぶ慣れてきた私。

きっと、"喧嘩するほど仲が良い"ってやつなのだろう。

「立栞、史緒にちゃんと案内してもらえたか?」

先程まで書類に目を通していた千歳が顔を上げ、私に向かって声をかけてくる。

「うん!史緒くん、丁寧に案内してくれたから助かったよ。第2校舎のことも教えてくれたし…」
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