その生徒会、取扱注意につき!

琥太郎くんの丁寧な対応が予想外だったのか、有紗は目を丸くしながらあいさつを返す。

その後。

「2人ともはじめまして。黒涼高校2年、副会長の城月伊緒です」

続けざまに伊緒くんも、ニコッと営業スマイルであいさつを交わした。

「…あの、1年の古川美心です。生徒会で書紀をしています」

感じの良い2人に安心したのか、私の背中に隠れていた美心も伊緒くんと琥太郎くんに向かってそう言葉を発し、ペコリと会釈をする。

若干、オドオドしているが自分から声をかけるなんて、美心にしては本当に珍しい行動だ。

「…よかった。私達、立栞が1人で黒涼高校に行ってしまったこと本当に心配してたんです。でも、黒涼生徒会の方があなた達みたいに優しい方で安心しました。ね、美心」

「はい。本当に安心です」

有紗と美心は、互いに顔を見合わせ、クスッと微笑んでいて。

最後には「「立栞(会長)のことよろしくお願いします」」と声をそろえて言うものだから、私はつい苦笑いを浮かべてしまう。

私って、そんなに頼りないかなぁ…。

「いやいや。こっちこそ、立栞には毎日助けられてるんだ。それに今後とも白浪女学院の皆さんとは良い関係を築いていきたいと思ってるから、2人共仲良くしてくれると嬉しいよ」

「こ、こちらこそ…」

「もちろんです…」

女子受けの良い伊緒くんの王子様スマイルに、有紗だけでなく、男嫌いの美心ですら若干、頬を赤らめていた。

本当に顔が良いって得だな…。

私が内心そんなことを考えていた時。
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