その生徒会、取扱注意につき!

気づけば、ポロッと本音がこぼれる。

私にも、父方の親戚で同い年の男の子が1人いるらしいけれど物心ついてからは会っておらず、あまり記憶にはなかった。

だからこそ、琥太郎くんと杏花ちゃん。

それに伊緒くんと史緒くん。

仲良しの兄弟がいることが素直に羨ましく感じる。

あれ?そういえば千歳って兄弟とかいるのかな……?

「はいはい。琥太郎の妹自慢はそこまで!とりあえず、チャチャッと2人でメニュー考えちゃってよ。俺はオシャレで可愛いやつ希望!あと、美味しいやつね」

タイミング悪く、バサッと私達の話をぶった切って、難しい注文をしてくる史緒くん。

無理難題な注文に、私が苦笑いを浮かべていると。

「じゃあ、俺も……」

「千歳はだめだよ。料理が壊滅的にできないんだから邪魔になるだけだし」

「…………ちっ」

ニコッと素適な笑顔で伊緒くんが、千歳をけん制する。

小さく舌打ちをする千歳の様子が気になったが、彼が反論しないところを見ると、本当にそうなのだろう。

「じゃあ、琥太郎くん。頑張ってカフェに合うメニュー考えよう」

「はいっ!立栞先輩……!」

せっかく参加するんだもん。
私も黒涼祭、楽しまないと損だよね。

やる気に満ち溢れた琥太郎くんの返事につられ、私も気合を入れ直したのだった――。
< 84 / 119 >

この作品をシェア

pagetop