その生徒会、取扱注意につき!
カフェで出すなら一度作っておいた方が味見もできるし、イメージもしやすいだろうと思い、私はそんな提案をしてみる。
「そうですね。たしかに1回作っとくほうが無難ですし。千歳先輩たちにも味見してもらいましょ」
私の提案に笑顔で頷いた琥太郎くんは。
「とすると、どこで作るかっすね〜……。学校の調理室借りるにも申請とかで時間かかって面倒だしなぁ」
と、考え込む。
「じゃあ、家に来る?土日の昼間ならたぶんキッチン使えると思うよ」
何気なく私が口に出した言葉に琥太郎くんは一瞬、大きく目を見開いた。
そして、何を想像したのかだんだんと顔色が青ざめていく。
「い、いえいえ……!立栞先輩の家に行きたいのはやまやまなんすけど!千歳先輩からしばらく嫌味言われそうなんで……。や、やめときます」
「そ、そう?」
フルフルと全力で首を横に振る彼に、逆に提案したこちらが戸惑ってしまった。
千歳に嫌味……?
理由がよくわからないが、とにかく私の家ではダメみたいだ。
「あ!じゃあ、俺の家はどうすか?うちなら千歳先輩とかも気軽に誘えますし……!土日だと妹はいるかもしんないすけど」