《番外編》妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました
「……はぁ、はぁっ……」

 後処理を終えて未だに息が上がったままの亜夢に視線を向けた俺は、自身の行動を悔いていたせいでなかなか声が掛けられなかった。

 いくら不安だったからって、こんな自分善がりで一方的に近いセックスをした自分が許せなかった。

 だけど、ようやく息が整ってきたらしい亜夢はゆっくり身体を起こすと、「百瀬くん、もう、怖いのはなくなった?」なんて言いながら俺の身体を包み込むように抱きしめてきてくれた。

「……亜夢、ごめん……」
「どうして謝るの?」
「だって俺、ほぼ一方的に抱いてたし……」
「一方的って言うけど、私は嫌がってた訳じゃないし、抱かれたいって思ったのも事実だから、そんな風に気に病む事ないんだよ? それにね私を抱いた事で百瀬くんの不安が取り除かれたのなら、私はそれが一番良かったって思うから、気にしないで? ね?」

 亜夢はどこまでも優しい。

 だから、惹かれるのかもしれない。

 さっき見たのは、ただの夢。

 亜夢は、俺を置いて居なくなったりはしない。

 だから、大丈夫――。

「百瀬くん?」
「……亜夢、大好きだ」
「うん、私も大好きだよ」

 互いに抱きしめ合いながら布団に入った俺たちはそのまま眠りにつく。

 亜夢の暖かな温もりに包まれて、今度は良い夢が見れそうな気がした。


 -END-
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