月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 この声も好き。

 私だけが聞くことができるの。


 再びキスが始まる。

 角度を変えて、貪られるかのように。

 紅くんに愛でられると下の方が変な感じになる。

 無意識に太ももを擦り合わせると、その間のジンジンしてるところに紅くんが触れた。



「ぁっ」



 思わず声が漏れた。

 紅くんは「嫌だったら言ってね」と言い、そこを優しく撫でる。



「んんっ」



 中指と薬指の腹で円を描くものへと動きが変わると、より刺激を感じやすくなった。

 なんだかムズムズする。

 紅くんは私の弱いところをいじりながら、またキスを落とした。

 上からも下からも攻められ、全身が痺れていく。

 舌が絡めとられたとき。



「っふ」



 頭の中で白が弾けた。

 それは前に感じたものよりも、深い。



「ん、いい子」



 急な眠気に襲われる中で、紅くんが優しく頭を撫でてくれるのが分かった。
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