月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 その隙を突き、足を払い首に刀を突きつけた。

 俺の勝ちだ。



「茜のいる部屋に案内しろ」



 低く告げると、鈴井真那は苦渋をのみこんだ。






 鈴井真那に案内された部屋は入り組んでいてとても1人じゃ辿り着けないところだった。

 (ふすま)を開ける動作すらもどかしくて、脇目も振らず蹴破った。



「茜!!!!」



 目の前に飛び込んできた光景を見て硬直する。

 だって仕方ないだろ。

 茜が自身の首にナイフを当てていたのだから。
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